歯周病とは歯茎や歯の骨の病気で、歯垢や歯石が付着して発生させる歯周病菌が原因になります。歯周病は大半の場合は気づかないうちに進行し、気づけば歯の土台である骨を溶かしてしまいます。そうなってしまった場合、歯を抜歯する以外の選択肢がなくなってしまいます。ご自身の歯を守るためにも、早期発見・早期治療をすることが必要です。下記は歯周病の進行度別の状態・症状・治療法です。セルフチェックをしていただき、状態や症状が歯周病に当てはまる場合は早い段階で当院に一度お越しください。
状態 | 歯の表面に歯垢、歯石が付いており、歯茎のみ赤く炎症を起こしている。 |
症状 | 歯ブラシを当てると痛みがあり、出血してくる。 |
治療法 | 歯周病基本治療で対応。 |
状態 | 歯の表面に歯垢、歯石が付いており、歯茎の炎症に加え骨のわずかな吸収がある。 |
症状 | 歯肉炎と同様に歯ブラシを当てると痛く、出血し、さらに歯周ポケットが歯肉炎と比べ若干深くなっている。 |
治療法 | 歯周病基本治療で対応。 |
状態 | 歯と歯茎の間に歯石が付いており、歯茎の炎症、骨の吸収があり、歯周ポケットが4㎜以上と深い。 |
症状 | 歯茎に歯ブラシが当たると痛く出血しやすく、歯と歯の間の歯茎がブヨブヨして腫れている。歯の揺れが認められる。 |
治療法 | 通常は、歯周病基本治療で対応。歯周ポケットの改善が認められない場合は歯肉切除術(増殖した歯茎の除去)、フラップ(歯茎を切り開く)してプラークや歯石を除去する。また再生療法が必要になるケースがある。 |
状態 | 歯と歯茎の間に歯石が付いており、歯茎の浮腫、骨の吸収があり、歯周ポケットが6㎜以上とかなり深い。 |
症状 | 歯茎に歯ブラシを当てるだけで痛みがあり、出血を起こし、歯の周りの歯茎が全体的にブヨブヨしており、歯の揺れも激しく、噛んだ時も痛みを生じる。 |
治療法 | 歯周外科治療(フラップしてプラークや歯石を除去・再生療法)が必要。抜歯になるケースもある。 |
歯周病の原因となっているバイオフィルムである歯垢(プラーク)や歯石をプロフェッショナルクリーニングで取り除きます。当院では、歯垢や歯石を取り残さないように、隅々まで丁寧に処置をすることを心掛けています。その後、ブラッシングの指導をさせていただき、ご自宅でセルフケアをしていただくサポートをしていきます。
まずはお口の検査をします。歯周ポケットの深さを測ったり、レントゲンを撮影することで、歯周病の進行状態や原因を調べていきます。その上で患者一人一人のカウンセリングを行い、治療計画を立てていきます。
計画を基に、治療に入っていきます。歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングで、歯の隅々まで歯垢や歯石を取り除き、口腔内を清潔にしていきます。
プロフェッショナルクリーニングだけで歯垢や歯石が除去できない場合(歯茎の中まで歯垢や歯石が付着している場合)は、フラップによる外科処置を行います。歯茎を切り開き、歯茎の中に付着している歯垢や歯石を除去します。
歯医者でお口の中を清潔にしても、ご自宅でのケアを怠ってしまうとすぐに口腔内は汚れてしまいます。清潔な状態を維持していただくためには、ご自宅でのセルフケアが重要です。当院では、ご自宅でセルフケアをしていただけるように、正しい歯磨きの方法を丁寧に優しくお教えします。
歯周病は、一回の治療で治るものではありません。ご自宅でセルフケアを行っていただきながら、3か月に1度は処置を受けていただくことをおすすめしています。根気が必要になりますが、医院と患者様が二人三脚で頑張っていくことで歯周病は改善されます。一緒に頑張っていきましょう。
a) | パノラマⅩ線写真撮影 |
b | ポケットの深さと出血の有無及び歯の揺れの検査① |
c | 上下のSC (スケーリング) |
d | ポケットの深さと出血の有無及び歯の揺れの検査② |
e | 上下のSRP (スケーリング・ルートプレーニング) |
f | ポケットの深さと出血の有無及び歯の揺れの検査③ |
a)~d)までで改善する場合5000~6000円程度
a)~f)までで改善する場合13000~14000円程度
※パノラマⅩ線写真撮影は毎回は撮らず2年に一度(状態の変化の比較のため)の撮影。レントゲン代は2000円程度なので定期的にメンテナンスに来られている方はだいたい3000円程度に抑えられます。
歯周病はご自身の歯の骨を溶かしてしまう病気です。そのため、ご自身の歯を残すためやインプラントなどの処置を行うためには骨を再生させる必要があることがあります。 当院では、溶けてしまった歯の骨を再生させる治療も行っております。
歯周病、虫歯などが原因で骨が欠損した部分を再生、修復する治療法です。歯を支える骨(歯槽骨)が歯の欠損などにより急速に吸収してしまうとインプラントを埋入しても骨から露出してしまいます。そのため、不足している部分に粉砕した自分の骨、他人の骨もしくは骨補填材(人工骨)を置きます。さらにメンブレン(人工膜)を置き、歯肉などの軟らかい組織の混入を防ぎながら骨の再生を促します。
歯周病は完治したと思っても再発する危険性があります。ご自宅でのセルフケアがきちんとできていれば再発するリスクはぐっと減りますが、セルフケアがきちんとできているかの評価も大切です。当院では3か月に1度お越しいただくことをおすすめしており、セルフケアがきちんとできているかの評価はもちろん、プロフェッショナルクリーニングを行うようにしています。歯周病は治療をするのが大変なため、再発しないようにきちんとケアをしていきましょう。